
「Excelで表を作成し、合計を求めたら事件が起きました。」
こんな経験、ありませんか?
「縦の合計」と「横の合計」が一致しない。足す範囲は同じはずなのに… これは、Excelのバグか?それとも私の計算ミスか?
実は、このシンプルなトラブルこそが、Excelで一番ややこしい問題の一つなのです。
私もかつてこの現象にハマり、華の金曜日に大残業…。何時間も悩み続け、最後に原因が判明しました。
その原因とは…
👉 SUM関数で飛び飛びの範囲を選択したとき、同じセルを重複して選択してしまった
=SUM(A1,A2,A2,A3)
ExcelのSUM関数を使う際、飛び飛びのセルを手動で選択すると、意図せず同じセルを二重に選んでしまうことがあるのです。
見た目には問題がなさそうなのに、裏で余計なセルが加算されているため、合計が合わなくなるわけです。
これはExcelが壊れたわけではなく、SUM関数の仕様をよく理解していないがために起こる人為的なミスでした。
では、この現象を防ぐ方法を詳しく見ていきましょう。
1. SUM関数で合計がズレる主な原因とは?
Excelで縦の合計と横の合計が一致しない場合、考えられる原因は主に3つあります。
① SUM関数で範囲選択ミス(重複選択)
SUM関数で飛び飛びのセルを選択する際、意図せず同じセルを2回以上選んでしまうことがあります。
例:間違ったSUM関数
この場合、A3:A5
が2回カウントされてしまい、合計値が本来よりも大きくなります。
② 非表示の行や列に数値が含まれている
フィルターをかけていると、見えているセルだけを合計しているつもりでも、
SUM関数は非表示の行も含めて合計するため、値がズレることがあります。
対策:SUBTOTAL関数を使う
SUBTOTAL関数なら、フィルター適用後の可視セルのみを合計できます。
③ 数値の形式が「文字列」になっている
Excelは、セルの値が「数値」ではなく「文字列」になっていると、SUM関数で正しく合計しません。
対策
- 文字列を数値に変換する方法
- 数値が入力されたセルを選択し、「データ」タブ → 「区切り位置」をクリック → 「完了」
=VALUE(A1)
を使い、文字列を数値に変換
2. SUM関数の範囲選択ミスを防ぐには?
① Ctrlキーを使う選択時に気を付ける
SUM関数で飛び飛びの範囲を選ぶ際、
Ctrl
キーを押しながらセルを選択すると、うっかり同じセルを2回クリックしてしまうことがあります。
解決策:選択したセルの範囲を確認する
- 数式バーに表示される範囲を手動で確認する。
② SUM関数ではなくSUMIFSを使う
SUMIFS関数を使うことで、条件を指定し、不要なセルを合計対象から除外できます。
このように、特定の条件を設定すると、重複して加算されるミスを防げます。(ただし1行おきに合計することはできません)

一行おきに合計したい場合、小さな表ではSUM関数でセルを一行おきに選んで計算できます。しかし、大きな表ではセルを一つずつ選んでいくのは手間がかかります。そこで、以下の3つの関数を組み合わせて配列数式を使うことで、簡単に一行おきの合計を計算できる方法を紹介します。
- IF関数
- MOD関数(余りを返す)
- ROW関数(行番号を返す)
詳細
- 一行おきの合計を求めたいセルを選択します。
- そのセルに、次の数式を入力します:
※「余り」は、行番号を2で割ったときの余りになります。偶数行の合計を求めたい場合は「0」、奇数行の合計を求めたい場合は「1」とします。
- 数式を入力したら、[Ctrl]+[Shift]+[Enter]キーで確定します。
例
例えば、C1:C8のデータ範囲で奇数行の合計を求めたい場合、次のように入力します。
補足
ROW関数の代わりにCOLUMN関数(列番号を返す関数)を使えば、一列おきに合計することもできます。
この方法を使うと、大きな表でも効率的に一行おきの合計ができます!
③ ピボットテーブルで集計する
SUM関数の代わりに、ピボットテーブルを使って合計を求めるのも有効です。
ピボットテーブルなら、手動で選択するミスがなくなり、正確な集計が可能になります。(ただしこの方法も一行おきに計算はできません)
3. まとめ:SUM関数の合計ズレを防ぐ方法
✔ チェックリスト
✅ SUM関数の範囲に重複がないか確認する
✅ 非表示の行・列を含めたくない場合はSUBTOTAL関数を使う
✅ 数値が文字列になっていないか確認する
✅ SUMIFSやピボットテーブルを活用する
Excelで合計が合わない現象に直面したら、まずはSUM関数の範囲を確認し、非表示のデータや数値の形式もチェックすることが重要です。
このシンプルなミスに気付かずに残業した私のようにならないように、
しっかりと確認しながら作業を進めていきましょう!
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