
企業間の取引では、「支払サイト」を把握し、請求書の管理やキャッシュフローを適切に管理することが重要です。本記事では、Excelを使って支払サイトを計算する方法をわかりやすく解説します。
1. 支払サイトとは?
支払サイトとは、取引先への支払い期限を指します。通常、「〇日後払い」や「月末締め翌月末払い」などの形で設定されます。※支払いをするためのWEBサイト画面のことではないのでご注意を。
支払サイトの種類
支払サイトの種類 | 説明 | 例 |
---|---|---|
即日払い | 商品やサービスの提供と同時に支払う | 現金払い、クレジットカード決済 |
〇日後払い | 請求書発行日から〇日後に支払う | 「30日サイト」→ 請求日から30日後 |
月末締め翌月払い | 月末で締め、翌月の特定の日に支払う | 「月末締め翌月末払い」 |
2. Excelで支払サイトを計算する方法
Excelでは、「請求日」+「支払サイトの日数」 で支払期日を計算できます。
2-1. シンプルな支払期日計算
例えば、「請求日」から30日後が支払日になる場合、以下のようなExcel関数を使用します。
excel
=B2+C2
ここで、
- B2:請求日
- C2:支払サイト(例:30)
以下の表をExcelで作成すると、支払サイトを自動計算できます。
請求日 (B列) | 支払サイト (C列) | 支払日 (D列) |
---|---|---|
1|2024/03/15 | 30 | =B2+C2 |
2|2024/03/31 | 30 | =B3+C3 |
2-2. 月末締め翌月末払いの計算
月末締め翌月末払いの場合、支払日は「請求月の翌月の末日」となります。以下の関数を使用すると、自動的に計算できます。
=EOMONTH(B2,1)
この関数の意味:
- B2:請求日
- EOMONTH(B2,1):「B2の翌月の月末日」を求める
2-3. 支払日が休日の場合の調整
支払日が土日や祝日の場合、翌営業日に自動調整する方法として、WORKDAY
関数を使用します。
=WORKDAY(EOMONTH(B2,1),1,休日リスト)
「休日リスト」には、会社の休業日や祝日をリスト化したセル範囲を指定します。
🔹 WORKDAY関数とEOMONTH関数の役割
この数式は、「月末締め翌月末払い」 の支払日が 土日や祝日 に当たった場合、翌営業日に自動調整 するためのものです。
🔹 数式の意味と構造
=WORKDAY(EOMONTH(B2,1),1,休日リスト)
部分 | 意味 |
EOMONTH(B2,1) | 請求日の翌月末日を取得 |
WORKDAY(○,1,休日リスト) | ○の日付の次の営業日を取得(休日リストを考慮) |
🔹 1つずつ分解して詳しく解説!
① EOMONTH(B2,1) の役割 → 翌月末日を取得
EOMONTH関数(End Of Month) は、指定した日付の 「月末の日付」 を求めます。
例
請求日 (B2) | EOMONTH(B2,1) の結果 |
2024/3/15 | 2024/4/30 |
2024/6/10 | 2024/7/31 |
つまり、EOMONTH(B2,1)
は「B2の日付の翌月の月末」を取得します。
② WORKDAY(○,1,休日リスト) の役割 → 翌営業日に調整
WORKDAY(開始日, 営業日数, 休日リスト)
は、指定した日付から「○営業日後」の日付を求める関数です。
📌 ポイント
- 開始日:
EOMONTH(B2,1)
で求めた「翌月末」 - 営業日数:
1
→ 翌営業日 - 休日リスト:会社の休日や祝日を指定(省略すると土日だけ考慮)
📝 例
請求日 (B2) | EOMONTH(B2,1) | WORKDAY(EOMONTH(B2,1),1,休日リスト) |
2024/3/15 | 2024/04/30 (火) | 2024/05/01 (水)(平日なので翌日) |
2024/6/10 | 2024/07/31 (水) | 2024/08/01 (木)(平日なので翌日) |
2024/11/20 | 2024/12/31 (火) | 2025/01/06 (月)(1/1〜1/5が休日) |
📌 もし EOMONTH(B2,1)
の結果が「土日や祝日」だった場合、次の営業日 に自動調整されます!
🔹 休日リストの設定方法(Excelでの実践例)
1️⃣ まず、休日リストを作成する
Excelの別のシートや適当な範囲に、会社の休日や祝日を入力しておきます。
A列 (休日リスト) |
2024/01/01 (元日) |
2024/02/11 (建国記念の日) |
2024/04/29 (昭和の日) |
2024/05/03 (憲法記念日) |
2024/12/31 (大晦日) |
この場合、「休日リスト」は Sheet1!$A$1:$A$10
などの範囲で指定します。
2️⃣ 数式に休日リストを組み込む
=WORKDAY(EOMONTH(B2,1),1,Sheet1!$A$1:$A$10)
✅ 休日リストを指定すると、土日だけでなく、祝日も考慮される!
🔹 まとめ
関数 | 役割 |
EOMONTH(B2,1) | 翌月の月末を取得 |
WORKDAY(○,1,休日リスト) | 取得した日が休日なら、次の営業日に調整 |
休日リスト | 会社の休日や祝日をリスト化して適用 |
📌 この関数を使えば、月末締めの支払日が土日や祝日に当たっても、自動で翌営業日に調整される!
📌 カレンダー管理や請求管理の効率化に便利!

「支払日をExcelで計算するとき、土日や祝日を自動で飛ばせますか?」

「できますよ!WORKDAY
関数を使えば、土日や祝日を考慮して支払日を決められます!」

「でも、どうやって指定するんですか?」

「まず EOMONTH(B2,1)
で翌月末を取得し、それを WORKDAY
で調整すればOKです!」

「なるほど!じゃあ =WORKDAY(EOMONTH(B2,1),1,休日リスト)
ってやれば、翌月末が休日なら翌営業日になるんですね!」

「その通り!支払日が正しく設定されるので、請求管理が楽になりますよ!」
3. よくある質問(Q&A)
Q1: 支払サイトをExcelで自動更新できますか?
A: 「=TODAY()+支払サイト日数」とすると、常に今日の日付を基準に支払日を計算できます。
Q2: 「月末締め翌月末払い」と「30日サイト」は何が違いますか?
A: 「30日サイト」は請求日から30日後ですが、「月末締め翌月末払い」は請求日の月が変わると翌月末にずれます。
Q3: 支払サイトをカレンダー形式で表示できますか?
A: 条件付き書式を使い、支払日セルの色を変更すると、視覚的にわかりやすくなります。
まとめ
Excelを活用すれば、支払サイトを簡単に計算し、取引の管理を効率化できます。
【ポイントまとめ】
- 「=B2+C2」でシンプルに支払日を計算
- 「=EOMONTH(B2,1)」で翌月末の支払日を自動計算
- 「WORKDAY関数」で休日を考慮した支払日を設定
ぜひ試してみてください
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