
コンプライアンスがいよいよ声高々に叫ばれる時代となりました。この調子でいくと100年後はもうみんな聖人君子です。しかし、それも世の中の皆さんが望んだ結果であります。
最近では情報管理もとても、重要です。
どのような管理をしていますか?と問われたときに、文書の一つもない会社ではガバナンスが問われる可能性もあります。
とくに人手不足の企業ではありがちなことだと思いますので、以下に、退職者が出た際のデバイス面の制約文書の一例を載せます。ご参考ください。
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【文書の目的】
本書は、退職者が社用携帯電話および社用PCを返却する際に、データ削除の適切な手順を遵守し、情報漏洩を防ぐための規約と同意書です。社内情報および個人情報を適切に管理し、会社資産の安全を確保することを目的とします。
第1条(社用携帯・PCの返却義務)
- 退職者は、退職日までに社用携帯・PCを総務部または情報管理部に返却しなければなりません。
- 返却時には、端末内の会社情報・業務データ・個人情報が完全に削除されていることを確認します。
- データ削除が不完全なまま端末を引き継ぐことは、情報漏洩リスクを高めるため、厳禁とします。
第2条(データ削除の手順)
【社用携帯(iPhone/Android)のデータ削除手順】
- 業務用アプリのアンインストール(メール、チャットツール、クラウドストレージ等)
- 端末の初期化(工場出荷状態へリセット)
- iPhone: 「設定」→「一般」→「転送またはリセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」
- Android: 「設定」→「システム」→「リセット」→「すべてのデータを消去(初期化)」
- 会社提供のSIMカードやSDカードを取り外し、返却
【社用PC(Windows/Mac)のデータ削除手順】
- 重要な業務データを会社のクラウドストレージへ移行(OneDrive, Google Drive, Dropbox など)
- ログアウト & アカウント削除(Microsoftアカウント、Googleアカウント、VPN、メールアカウント)
- PCの初期化(工場出荷状態へリセット)
- Windows: 「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」→「このPCを初期状態に戻す」
- Mac: 「macOSユーティリティ」→「ディスクユーティリティ」→「消去」→「macOS再インストール」
- HDD/SSDの物理破壊またはデータ消去ソフト(例:Blancco, DBAN)を使用することが推奨
- 社用PCに保存されていた個人情報が含まれる可能性のあるUSBメモリや外付けHDDも返却
第3条(情報漏洩・個人情報保護に関する誓約)
- 退職後も、会社の機密情報・顧客情報・業務データを外部に漏洩しないことを誓約します。
- 退職後、社用携帯やPCを個人的に再利用しないことを確約します。
- もし退職後に会社情報を不正利用した場合、法的措置を取る可能性があることを理解します。
第4条(違反時の責任)
- 本規約に違反し、社内情報や個人情報の漏洩が発生した場合、退職者は民事・刑事責任を負う場合があります。
- 退職後も情報管理義務を怠った場合、会社は退職者に対し、損害賠償請求を行う可能性があります。
【退職者の同意】
私は本規約の内容を理解し、社用携帯・PCの適切なデータ削除および情報管理の義務を遵守することに同意します。
- 氏名:〇〇〇〇
- 社員番号:〇〇〇〇
- 退職日:〇〇年〇〇月〇〇日
- 署名:__________
- 日付:〇〇年〇〇月〇〇日