年の瀬の読み方
としのせ、と読みます。ねんのせ、ではありません。また、加齢に伴って能力が衰えてくることを理由にすることを年のせい、といいますがそれとは意味合いが異なります。
年の瀬の意味
年末(歳末)、の意味です。その年が終わる12月末ごろを主にさすかと思いますが、師走と呼ばれるように12月は年の暮れ(晦日)や正月に向けて、大掃除やお歳暮などの挨拶、と何かと一年の締めくくりとして忙しいものです。つまり12月末に限らず12月になった時点で年の瀬と表現できるともいえます。
年の瀬の由来
年の瀬の瀬の字に目を向けてみればわかりやすいです。
瀬とは
歩いて渡れるくらいの、水の流れの浅い部分を指します。いわゆるあさせのことです。中背の方が渡るときに膝以下まで浸るくらいの深さ(浅さ)、また別の表現をすると、底の砂利やなどが濁っていた場合にもある程度見えるくらいの浅さといえるでしょう(透き通った海や川の場合は深くても見えるので飽くまでも濁っていた場合にも見えるくらい)
また、そうした浅いところは流れもサラサラと早いものです。
年とは
一年は365日で、4年に一度だけ調整のため+1日となる366日があります。つまり約365日を一年として、以降、それを重ねるごとに二年、三年と増えていく単位=年です。
つまり、年の瀬とは、
この年に瀬が合わさってできた漢字です。
年の瀬は、年の中でも時間が経つのを早く感じるという意味
年の暮れは忙しなくバタバタします。いまでこそビジネスは期末が春ですが、昔は年末に商人たちが売掛金を回収に走る、また生活者はその支払いに追われるというような状況でした。
つまり、一年の中でも12月は忙しいがゆえに時間の流れも川の瀬のようにサラサラと流れていく、まるで川が流れるように過ぎ去っていく、だからこそ年の瀬といったのでしょう。
なんという風流な表現でしょう。詩的です。
年末、というとあっけない感じですが、年の瀬というと情緒すら感じます。
話はそれますが、例えば地震は地球のあくび、だなんて表現されることがありますが(それを風流とは思いませんが)、昔の人はそういう自然界のことを身近な生活のコトになぞらえてうまく表現していたのでしょう。
俳句や短歌が巧みな、日本人の繊細な心が生み出した表現ともいえます。
年の瀬、これを書いている今、私はまさにまもなく年の瀬を控えようとしています。
さて、今年は会社の数字目標も厳しく、この年の瀬までにいかに契約をとれるかにかかっていて、毎日気苦労が絶えません。
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