どうして出世すると下の立場が分からなくなるのか

世の中、出世させてはいけない人が出世してしまうということが往々にしてあります。しかし、この日本の社会においてはやはり強いリーダーシップとはこれ体育会系。つまりパワハラ的な指導ができる方が、むしろ上層部に好まれます。あいつはちゃんと周囲を指導している、と。言い換えるとパフォーマンスがうまい人が出世します。

なので、結論から言うと、この記事の題名とは裏腹に、出世して下の立場が分からなくなって、無茶をいいかき乱す、ということではなくて、そもそも論で、そういう人が出世しやすい社会的好意性があるということです。

そういった良くない上司についてしまった部下からすると、

うるせーわ、あんたたちが口だけで実践していないくせによく言うわ、が本音です。

本当にその上司自ら実践して自らにも厳しくしているならば、はっきり言って文句はありません。そうした上司に怒鳴られても、何も文句はありません。ただただ反省、また叱ってくれることに感謝、自分が情けない、頑張ろうと感じます。でもそうしたタイプの上司はもう本当に稀少です。大企業で5人に1人、中小企業だと15人に1人くらいだと思います。とくに中小だと本当に厳しく、要領よくて仕事ができる、でも性格が人道に反するタイプ、といったケースでも出世するので注意が必要です。世の中に名だたる企業だと、そこは厳しく、コンプライアンスを外したタイプはそれなりに「濾過」されます。

だから、この社会、構造として、中小企業も多いので、そうした、危険人物が出世してしまうがために、またそうした人たちに指導されて次世代が育成されるのでリピートするという悲しい連鎖を生むのだと思います。

結果、出世したから下の立場の気持ちが分からなくなる、

のではなくて

下の立ち場の気持ちなどどうでもいいような人が出世する

という構造なのだと思います。

出世すると下の気持ちが分からなくなるのか

自ら、過重労働を強いているのにも気が付かない上層部、そうした労働環境においてやむを得ず起こりうる従業員の失策。余裕がないから起こる失敗と、ただの怠慢とによる失敗の区別がまるでつかず、ただただ結果ばかりをみて文句をいう。自らは操れないくせに、そんなのAI技術でちょちょっと簡単にできるでしょ?簡単に部下の仕事を見積もる。

でも、この日本は、嫌われることを恐れ、どちらかといえば和を大事にする社会ですから、タイプとしては、みんなで出しゃばらず無視しないようにしよう、と同調圧力が見えない空気として支配されている中、だれも文句を上層部にいいません。

そのために、どうしても上にいる人たちは、自分が若い頃はそうだったくせに、理想論にしがみつき、いつしか部下の気持ちが分からなくなり、まるで犬や猫というペットを飼っているような気持ちになり、可愛がっているつもりでも、それがまったくズレている、ということになるのだと思います。

目下の人間もまた上司を評価していることを、すっかり感じず、、裸の王様はたくさん生まれているのでしょう。

でもそれもまた、時代の潮目が変わってきています。

2022年も終わりに差し掛かる今、時代は大きく変わろうとしています。この日本でも、一つの会社にしがみつこうなんて若者は減り、いまや遠慮なく会社を見限るようになってきました。

かくして企業は体質を変えないと、人材獲得が厳しくなってくることでしょう。

くれぐれも相手をみくびってはいけない、自分より目下の人間であっても。

卵焼きが簡単に作れると思ってそういう発言をする旦那さんが世の中の奥さんから大ブーイングを受けるように、実際に体験したこともないくせにエラそうなことをいう人間はこれから先、どんどん追いやられることでしょう。

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