新人が分からないことを聞いてこない理由

入ってきた新人、分からないことばかりだろうに全然聞いてこない、意味不明、なぜ聞いてこない?と不思議になるかもしれません。

しかし、それには理由があります。

新人の頃、先輩や上司に聞くに聞かれなかった体験談を持つ人からするととても簡単で明快な答えが返ってくることでしょう。

分からないことを聞いてこない理由

先輩、上司が忙しそうにしているから

それは、忙しくてあまりにも話しかけにくいオーラを放っているからです。実に単純明快な理由です。自分自身も上司や顧客からのプレッシャーがきつく素早く処理しなければならないのはよく分かるのですが、新人を置いてけぼりにしてまで業務にあたっていると、新人さんは、遠慮してしまいます。聞かなくちゃならい使命感よりも、邪魔しちゃいけないモラル感のほうが勝ってしまい、変な自己犠牲精神のもと、押し黙ってしまうのです。

心当たりがあると思いますが、忙しいときに新人さんに分からないことを聞かれる、それが自分にとってはすごく簡単なことであったり当たり前のことだと思っている、ということがあると思います。そこでつい、

「どうしてこんなこともわからないのか、自分で考えろよ」

という苛立ちが芽生え、ツンケンした態度をとってしまいたくなっているのではないでしょうか。またそういう態度を出すことでストレス発散を無意識にしてはいないでしょうか、ということです。

新人さんはそんな上司や先輩の雰囲気をいとも簡単に感じ取れます。

先輩、上司が怒りっぽいから

上記の続きにもなりますが、忙しいとイライラすることも増えるでしょう。

しかし、それを態度に出しても何の得にもなりません。自分自身は一生懸命でも、周囲はただただとっつきにくい人であるだけです。

職場で電話をガシャン!と切る人、独り言で悪態を絶えず付いている人、電話越しに怒鳴り散らしている人、こういう職場はあります。成果をシビアに求められるとどうしてもこういう職場になりがちでまた自分もいつしかそれに染まるものですが、怒りの感情は決して人を寄せ付けません。怒って伸びるなどといいますが、そういうのはとっくの昔の話(~2002年くらいまで?)です。褒めたほうが人は伸び伸びと仕事ができるので、結果として高い成果を出すことが研究でも分かっています。これは経験則から実は誰もがとっくに分かっていたことですが、どうしても人間は苦しい思いをさせないと(自分がそうされてきた腹いせであることが多くですが)気が済まないがために、そうするのでしょう。

かくして自分は怒りちらし、気が付かないうちに、新人さんが分からないことを聞きづらい雰囲気を作っていることを自覚しなければなりません。

先輩、上司が不機嫌だから

怒り散らしているわけではないけれども、顔(表情)、声、態度に出てしまっているのですね、不機嫌な態度が。。そういうときに話しかけると、いつもより、より理不尽な態度をとられることが目に見えているので、新人さんからすると分からないことを聞くことを恐れ、そして億劫になります。

分からないことを聞かないことを怒られるよりも、

このまま進めて失敗して怒られることを選ぶようになります。

つまり、叱責されることの先延ばし、先送りを選ぶようになるのです。

理解できないかもしれません。先送りにしたほうがよりひどく怒られることは目に見えているのに、聞かない。

それは簡単な話です。

今、自ら怒られに行くよりも(聞けば不機嫌に接せられそうだから)、後で怒られたほうがいいから(決して怒られたくはないのだけれどあわよくば運よくそういう事態にならないかもしれない)。

逆にいえば、それだけのリスクを起こしてまで、今のあなたに話しかける勇気が持てないということです。

先輩、上司が威圧的だから

あ゛っ?と言ってくる

エラそうな人にはそもそも近づきたくありません。すごく簡単な論理です。

嫌われるのに、こういうのをやっている人っているんですね。

新人からモノを尋ねられた時の第一声が

あ゛っ?という人。

関わりたくなくなります。仕事を辞めてまでも。

マウンティングしてくる

これもいます。新人は奴隷、かのごとく、何かにつけて陥れようとするというか、バカにするというか。。自分はえらいんだとマウンティングしてくるような人に、喜んで聞きにいけるわけがありません。本来は何気ないことでも話しかけたくなくなります。

分からないことを聞いてもらえるようにするには

いつも機嫌良くいる

基本は機嫌良くいることです。どうしても機嫌が悪くなることは誰にでもありますが、それは態度に出してはいけません。演技でいいから、機嫌よく振舞うことが大事です。機嫌がいいと、話しかけやすくなります。書くまでもないほどに単純なことですが、これが実践できる人は少数ですから、とても難しいことなのです。でもそれができるようになれば効果てきめんです。

舐められる?そんなことはありません。堂々と上機嫌でいる人を人は見下しません。

怒らない

不正や怠惰に対して怒ることは必要です。

しかし、一生懸命やっていて、それでも力及ばず失敗した、また業務過多でのケアレスミス、こういうのに対して怒られると、はっきりいってゲンナリします。そういうことで誰かが怒られているところを見るのもとても胸が痛みます。

でも、こういう職場はありますね。いっさいの事情は排除して結果だけを見て怒られる。

こういう環境だと、とても分からないことを聞きづらくなります。

なので、基本は怒ってはいけません。みんな一生懸命やっています。

子宝というように新人も宝

子宝という言葉があります。子は何よりも大切な宝ということです。

子どもは、今は教わってばかりで価値をアウトプットできないかもしれませんが、将来育ってこの世の中を支えてくれるようになるからです。

新人もまたしかりです。子どもを育てるように接しないと将来価値を生む存在に育ちません。というか辞められます。

辞められると会社が存続しません。

となると、やはり新人さんが聞きやすい環境を作ってあげる、そのためには和やかな態度でいなければそうはならない、ということです。

 

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