悪気がない、というのは結論、「悪いことをしようと思って悪さをしているわけでない」が正解です。人に害悪を与え、迷惑を掛けていながらも、その行為は悪意があってやっているのではなくて、本人は何の気なしに、むしろ良かれと思ってやっている、というようなことです。
意外にもこれを勘違いして、悪いことをしているのに相手や周囲に対して悪い(=申し訳ない)と思う気持ちがない、というようにとらえている人が少なくありません。
悪気の意味
慣用句として、悪意がない、と表現しているようにも見えますが実は慣用句でもなんでもなく、シンプルかつストレートに、悪気というものが存在しない、という意味です。
悪気というのは、悪い気持ち、つまり悪意です。相手に害を与えよう、嫌な目に遭わせよう、これこそが悪意です。
そういったネガティブな気持ちがなかった、この状態こそが、悪気はない、の意味です。
悪びれる様子もない、と混合するのが誤った解釈となる要因か
悪気がないの意味を、申し訳なく思っていない、と誤解している方は、おそらく、
悪びれる様子もない(自分の行為に対して悪かったと反省したり恥だったと思うこと)、という言い回しに代表されるように、「悪びれる」と「悪気」が同義語だと捉えていることでしょう。
同じ漢字を使っていて、無や非や不などの否定語たる枕詞としての漢字を伴わない熟語なのに意味が真逆、というのもややこしさを醸す要因ですが、これをとらえ違えると周囲に「あれっ?」と思われる要因になるので注意が必要です。
またこの言葉が用いられるシチュエーション的にも、どこかボロを隠せないところがあります。
失言や失態のフォローに伴う、「悪気は無かった」という添え詞
羽目を外して、失言をしたり、失態を犯すことは社会生活を営んでいるといつ起きてもおかしくありません。相手と仲良くなろうとする過程でどうしても相手に踏み込んでズバッと思い切ったことを口走ってしまうことがあります。
でもそれで相手を怒らせたり傷つけてしまったーー
そんな時に、
「悪気はなかったんだゴメンね」、とか「彼・彼女も悪気があってああ言ったわけじゃないよ」とフォローを入れる時に用いる、、
悪気がなかったなら、そもそもそんな軽はずみなこと口にしないでしょう、と突っ込みをいれたくなるシチュエーションですが、弁解する側としては使い勝手のよい言葉のようで、悪気は無いと表現します。
悪気はないからこそ冗談が余計に際立つこともある
悪気は無かった、ああ見えて彼には悪気は無いから仕方ない、などといいます。
しかし、悪気がないからこそ相手をグサッと凹ませることもあることを知らなくてはなりません。
悪意があって相手を攻撃する場合は、まだ、悪いことをしているという自覚があります。
一方で悪意がなくてやったこといったことが相手を傷つけているとしたら、自覚がないがために、それはもう自然災害のようなものです。容赦なく無慈悲なのです。
以上、
悪気がない、の解説でした。
いずれにしても、
よくも悪くも、
「あの人に悪気がないのよ」と評価される場合は、フォローはされながらも少なからず周囲に迷惑を与えてしまっている存在であることを自覚しなくてはならないでしょう。。決して誉め言葉でも何でもないことは知っておかなくてはなりません。
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