- APD(auditory processing disorder)とは、
- APDの聴こえ方は、友近のタテトティの歌のように聞こえる
- APDの癖
- APDの特徴
- 聞き返しが多い。「えっ」「なにっ」とたびたび言う。
- 雑音下での聞き取りが困難。
- 何と言われたのかしばしば誤解する。
- 要求された事柄について絶えず確認する。
- 言語情報が減少すると言葉の理解が困難。
- 音声指示に従うのが困難。
- 類似する言語音の弁別や識別が困難、聞き誤る。
- 聴覚刺激に対して的外れな反応をする。
- 聴覚的注意の欠如。
- 聴覚的な記憶力が弱い。
- 理解語彙や表出語彙が少ない。
- 言語指示に対しての反応が遅れる。
- 読みや書字、学習面においての問題を有する。
- 聴覚経由での学習が困難。
- バックグラウンドノイズ(周囲の雑音)から必要な音を選択できない。
- APDとADHDを両方持っている子も多い。
- 正常なヒアリング(聴力)を持っているが、軽い難聴のように感じる。
- 人が大勢いるところでは話を聞き取り辛い。
- IQは、通常平均である、または、平均以上である。
- 時間概念を正確に理解することが困難である。常に現在のみを生きており、未来を把握し辛い。
- 音楽やTVの音は大きければ大きいほどいいと感じる。
- 重要な音を気に止めない、全く気にしない。
- APDに向く仕事を探す過程で苦労はあるが2年辛抱する!
- APDあるある
- APDの私の幼少期
- APDと吃音
- APDとHSP
APD(auditory processing disorder)とは、
日本語で聴覚情報処理障害と訳されるこの症状は非常に厄介です。私はそのapdの気があり、日常、『えっ?何ですか!?』と聞き返す事が多々あります。2021年8月になってネットで初めてこの「聞こえているのに聞き取れない現象がある」という情報を見て衝撃を受けました。
会議や打ち合わせで誰かが発言、皆がフムフムと理解しているのに自分だけが聞き取れていなかったあの違和感は、つまり本物(ただの違和感でなく障害)だったのだと納得に至るのでした。
また振り替えると学生時代は、授業で先生が喋っていることにまるで集中できず、黒板の板書を見て初めて理解に及ぶという状態でした。
あと、私生活においては、歌手が歌う音楽を聞いても歌詞が意味のある情報としてはいってこない(字幕で理解)、漫才を見ていて、あれ?笑う所なのか?何と言ったんだ??とついていけないことがあります。ドラマも字幕がないと内容を把握できないことがあり、妻にどうして?何で?とストーリーを聞くたびに、「どうして理解できないの!自分で判断して!」と怒られ呆れられる始末です。
また、これら一連の音声として聞こえているのに、それを意味としてとらえなれないという現象を裏付けることとして以下のようなことがあります。
時間差で『あっ!分かった、あの時あの人はああ言ったんだ!』と遅れて脳がそのときの音声情報を意味のあるものとして言語化され理解にいたる、ということがあります。
つまり、聞こえていたのです。
なので、人との会話で適当な返事をして、ハッと遅れて理解したときに、しまった!と後になって訂正することがあります。
また、聞こえなくて、聞き返すのが面倒になって(多分大した内容じゃなさそうだと)愛想笑いで過ごしていたところ、大事な内容で、相手から、ちゃんと答えてよ!と怒られるということもあります。
そういう訳で私はAPDの気があります。
ちなみに難聴ではありません。健康診断では聴覚に問題なしと出るのです。
APDの聴こえ方は、友近のタテトティの歌のように聞こえる
TVで見ていて、これだ、、この聴こえ方だと思ったのでご紹介します。
お笑い女芸人の友近さんの歌芸の、タテトティの歌をご存じでしょうか。
ヒット曲(綾香さんの三日月やMISIAさんのeverythingなど)の楽曲の歌詞を、タテトティ、つまり、タ、テ、ト、ティ の音声だけで構成するネタです。
メロディに乗せると違和感がなく、さも正しい発音をしているように聞こえる不思議な芸です。
そして、これが、普段の私の日常で三分の一くらいを占める聴こえ方です。
声を音としてしか捉えられない感覚がAPDとすると、健常者がこの擬似体験をするとき、このタテトティの歌が参考になると思います。イントネーションやアクセントから意味を把握するように脳がフル回転、また時折とらえられる文脈を補い、さらに様々なニュアンスを考慮する、
なので、1日終わるとぐったりするのです。
APDの癖
私が最近、人から指摘されたことがあります。上司から、
君は、もしかして耳の聞こえが悪いのか?話しかけるといつも聞き返しては、耳をこちらへ向けてくる
そう指摘されました。
そのとき私は、自分でも気がついてなかった癖を知ることになります。ただその時思ったのは、私の耳は変形していて(餃子耳といって耳を激しくぶつけるスポーツで耳がカリフラワー見たいにボコボコになる現象)、それが音の聞こえを悪くしているのではないかということです。
そういうわけでさほど気にとめてはいなかったのですが。。
ネットで「聴覚問題ないのに聞き取れない」と調べてみてAPDに出会ったのです。
下記はマドレクリニックという病院のサイトから引用したAPDの特徴の診断リストです。
これに私の事例としてコメントを付けてみました。
APDの特徴
聞き返しが多い。「えっ」「なにっ」とたびたび言う。
これは私が日常的に体験する現象です。これを言わない日はないというくらいです。特に、不意に話しかけられると、
ああ何か言ってるけど分からない、、とある程度、滑舌のよい声で話しかけられたのにも関わらず聞き逃すのです。
二度、三度聞いてやっと分かるということがよくあります。
また、たまに何かピンと来て、先回りして『要するにこういうことですね?』とすると、違う!と指摘されます。
ずけずけと言ってくる会社の上司は、『君は勘が悪いんだから、人の話を最後まで聞きなさい』と注意してきます。つまり聞き間違えている、早合点している、ということです。
雑音下での聞き取りが困難。
カクテルパーティ効果といって、雑音の中でも自分に必要な音声は脳が拾う、という能力を人間は持っているそうですが、とにかく雑音下は苦手です。相手が口パクしているような錯覚になります。
また、世の中には電話中に横から「あれも伝えてこれも伝えて」と話しかけてくる人がいますが(オフィスワークで)、それをやられると、パニック、どちらも聞き取れないという現象に陥ります。
何と言われたのかしばしば誤解する。
誤解するので特に就職などで新しい仕事についたときは大変です。何度も聞き返すたびに、怒られ、間違えて覚えて怒られ、しまいには、聞き取れなかったのに、無理やり思い返して、多分こう言ったんだと当てずっぽうで理解して、あとからなにやってるんだと怒られ。。
要求された事柄について絶えず確認する。
不安なんです。確かにこういった!と思っても時間がたつと、脳内で記憶があやふやになって、しまいにはイエスだったかノーだったかすら不安になるのです。
言語情報が減少すると言葉の理解が困難。
字幕がないとドラマを理解できないのが一番症状として顕著でしょうか。最近のテレビはテロップが多くて助かります。
駅などのアナウンスが流れていて注意を払ったのに聞き逃す、などは文字情報がないからでしょう。
音声指示に従うのが困難。
カーナビを使っても私は道を間違えるのですが、これは音声情報で戸惑うからです。
この先何百メートル先を右折、という音声を聞いていると、一本早いところで曲がる、または過ぎ去ってしまうことがあります。音声ガイドとナビの地図を結びつけるのが苦手なようです。
類似する言語音の弁別や識別が困難、聞き誤る。
電話でやり取りしているとこの聞き分けの困難さが顕著で、どうしてこんな聞き間違いをしたのかと自己嫌悪になることがあります。早口でまくし立てられるともうダメです。
聴覚刺激に対して的外れな反応をする。
これに関してははあまり自覚が分かりません。ただ、よく人から挙動不審だと言われますが(打ち解けてきた人間関係の中でぽろっと言われる)自分で気がついていない変な反応をしているのでしょう。
聴覚的注意の欠如。
不意に話しかけられるとビクッとします。
聴覚的な記憶力が弱い。
妻からお使いを口頭で頼まれた時、3つくらいになるとどれか1つは忘れます。または違ったものを買ってきます。
仕事ではメモ帳は欠かせません。
口頭で言われたことは見事に頭から消えます。不思議なのが、これが抜けている!と指摘されたら、ああ確かに言ってた!と思いだすのです。
理解語彙や表出語彙が少ない。
文章は苦手意識ないのですが、話すとなると貧相なボキャブラリー、または言葉が出てきません。
また、人が繰り出す言葉を聞いて、よくあんなに分かりやすく言葉を選べるな、と感心します。
言語指示に対しての反応が遅れる。
頭の回転が鈍いと表現される由縁です。昔、厨房で調理のアルバイトをしていたことがあります。言葉で指示が飛び交うのですが、まるで異国の地にいるようでした。当然私はチンプンカンプンなことをして怒鳴り散らされて辞めて行くことになりました。
また、せっかちな人といると、何かにつけて遅い!と言われます。私だけが言われるのは何でだろうと思っていましたが、つまり、実際に遅いのかもしれません。
読みや書字、学習面においての問題を有する。
これに関しては私は大丈夫です。読み書きはそれほど問題ありません。
聴覚経由での学習が困難。
はい、講演などで人の話をひたすら聞くだけのものは集中できず、睡眠不足でもないのに眠気が襲ってきます。
話がわからないので、注意力が散漫になる。
鶏が先か卵が先か。
つまり、話が分からないから注意力が散漫なのか、注意力が散漫だから話が分からないのか、
どちらもです。
不注意の傾向が私にはあります。真剣に発達障害を疑っています(グレーゾーン)
バックグラウンドノイズ(周囲の雑音)から必要な音を選択できない。
ガヤガヤしている会場で、名前を呼ばれていても反応が恐ろしく遅いらしいです。
APDとADHDを両方持っている子も多い。
先ほど触れたように私の場合は、不注意型のADHDの発達障害の傾向があります。ただグレーゾーンです。
また、繊細な気質の持ち主、いわゆるHSPといわれる敏感な性格であり、これがもしかするとメンタルを侵してAPDの兆候を呼んでいるのかなという気もしています。
正常なヒアリング(聴力)を持っているが、軽い難聴のように感じる。
健康診断の聴力検査では問題なしです。なのに、ハキハキ喋る人の声が聞き取れないことが多々あります。部分部分で早送りにして聞こえたりゴニョゴニョっとして音が錯綜して聞こえたりします。
人が大勢いるところでは話を聞き取り辛い。
気が散るのもあるかとは思いますが、聞き取りづらいです。飲み会など騒がしいシチュエーションで隣の人と話すのがとにかくエネルギーを使います。
IQは、通常平均である、または、平均以上である。
IQは平均か平均以下です。IQテストは苦手です。
言語発達にしばしば影響して、言語遅延を持っていることがある。
大人になった今、言語遅延かどうかは自分では分かりませんが、口下手です。
時間概念を正確に理解することが困難である。常に現在のみを生きており、未来を把握し辛い。
時間概念がどういう意味かはっきり分かりませんが、今日の日付を覚えられません(曜日は覚えられる)。そのため腕時計は日付入りが必須です。
音楽やTVの音は大きければ大きいほどいいと感じる。
これは当てはまりません。しかし、興味のあるテレビ番組や音楽を視聴するときは無意識に音量をあげているのか、妻からよく、音が大きい!と注意されます。
重要な音を気に止めない、全く気にしない。
救急車のサイレンや仕事用の電話の着信音などには敏感だとは思いますが、、これはよくわかりません気にしない、ということはないです。
ただ、救急車やパトカー、消防車などのサイレンがどこから聴こえてくるか音源を掴むのが非常に苦手です。前から来ていると思ったら後ろだったということは再々あります。
APDに向く仕事を探す過程で苦労はあるが2年辛抱する!
以上、APDかもしれないと自分を疑っています。しかしまだ2021年現在では専門的に診られる病院があまりないようです。実際私の住む近くにもそういう病院が見当たらないので、病院に行くのはしばらく後になりそうです。
ただ一つ言えることは、APDを言い訳に仕事を転々としないことです。私は仕事が覚えられず転々とした人間ですが歳を重ね転職が難しくなり、我慢を重ねていると、段々と仕事ができるようになってきた、という経験があります。
おそらく、聞き取れなくても状況判断ができるようになり、経験的に相手が何を求めているかがパターンの中で分かるようになり、それが聴覚不良を補う神経回路ができ上がってくるからだと思います。
その判断基準は、2年と見ています。2年頑張ってやっぱり死にそう、と思うなら即辞めるべきだと思います。
2年できたら、おそらく3年、4年と成長できます。そのあとはモチベーション次第、だと経験上感じます。
ちなみに、ネットで言われている向いているApDに向いている仕事としては、同じ作業の繰り返しの仕事、つまりは工場作業員かと思います、
また、パソコンに向かう事務仕事、ライターなどに適性があるそうです。
以下のサイトが非常に参考になりました。
kikoelife APD(聴覚情報処理障害)当事者が生きやすい社会を築くためにできること
APDに向く仕事・向かない仕事
APDに向かない仕事
- コールセンター
- 美容師
- 建設現場
- 時間に追われる仕事:時間におわれ、周りもイライラしているため、ゆっくり聞き直す時間がない
APDに向いている仕事
- 同じ作業を続ける仕事
- パソコンに向かう事務仕事
- 執筆業
人によっては、仕事で特に聞き取りで困ることがないため、自分がAPDだと気付いていない人も多いそうです。ただ、転職して新たな業務に就いた時に壁にぶつかることがあるとのことでした。
平野先生曰く、『APDのため聞き返す⇒うるさがられる⇒適当に判断するようになる⇒伝達ミスにより叱られる⇒仕事ができないと言われる⇒自信を無くす』という悪循環にならないためにも、職場など周囲の人にどのような状況下で聞こえにくいか、どのような工夫をしてほしいかをはっきり伝えることが大切と強調されていました。
参考:APDに向かない仕事
飲食関係は絶対に辞めた方がいいと思います。一瞬のうちに一つ二つを聞き取るマルチタスク性が求められ、普通の人でも苦労する仕事です。これは私の経験ですが、上記で紹介されているサイトの指摘のように、やはり、周りが時間に追われてイライラしている職場では聞き返すタイミングが図れず、もじもじしたり、自己判断でえいやあとやってしまうことがあるからです。
APDあるある
聴こえているのに聞き取れない、この摩訶不思議な現象を、普段の日常のあるあるとして募集します。コメント欄より投稿ください。
この手の、人に理解されづらい症状は大きく世間に宣伝されなければなりません。人にとって一番大変なのは理解されないことです。一見普通に見える、というハンデは大きなハンデです。怠けている、注意が足らない、辛抱が足らない、と評価されるからです。例えば、過敏性胃腸炎の方などは一見普通の見た目で、普通の人ですが、いざ緊張する場面になるとお腹を下し、どうしようもいられなくなります。第三者からすると理解できませんが、当事者にとっては苦痛に悶えて、またいつ漏らすか分からない、つまり社会的な死を意味するような現象に見舞われます。この苦しみは、あまりにも外から理解されない苦しみなのです。他にも下世話な例で言うと、二日酔いの苦しみはこの上ない苦悶ですが、誰にも共感してもらえません。普段は痛々しくなさそうだからです。
そういうわけでこのAPDもまた、人からは理解されない苦しみの範疇となるでしょう。だからこそ声を上げる必要があります。
早口の人が苦手、
後ろから声をかけられると何を話しかけられたか聞き返す、
電話や、インカムなどの無線の音声を聞き取りづらい、
みんな理解しているのに自分だけわかっていない、
同時に二人から話しかけられるとどっちの内容も把握できない、
などなど色々あるかと思いますのでご投稿ください。
APDの私の幼少期
ちなみに私は幼少期、1歳2歳の頃、2階の階段から転げ落ち、頭蓋骨を損傷した過去があります。もしかするとこれが脳機能にダメージを与え聴覚情報処理の遅れを発している可能性があります。
APDと吃音
また、私は吃音があります。幼少期の頃に、病気がちで入退院を繰り返して、闘病生活の中でいつしか吃るようになったそうです。大人になった今でも連発性の吃音があります。もしかするとAPDとの関連性もあるかもしれませんので書き記しました。
APDとHSP
HSPというのはハイリーセンシティブパーソン、つまり敏感で繊細な人の気質のことです。これは障害ではないとされていますが、当事者にとっては障害があるようにしか感じられない生きづらさです笑、私のことです。
もしかすると相関関係があるのかと思い書き記します。普段、脳内反省会が多いこの気質だと、反省会をしているときに話しかけられても、頭に入ってこず、右から左だからです。
コメント
こんにちは。私もAPDを持つものです。口頭でのやり取りは注意です。
今日もやってしまったことですが、急ぎで待ち合わせ場所を指定されたのですが、どう聞き間違えたのか全く違う場所と勘違いして出向き、あわや大トラブルでした。時間に余裕を持っていたため何とかなりましたが。。
これは厄介です。聴こえていても二度三度確かめたほうがいいです。鬱陶しがられても間違うよりはマシです。
でも、大変なハンデですよね、これって。。
人との会話が、早押しクイズのような感覚です。
人が何かを喋りかけてきたときの緊迫感や、それに対してどう答えるかという焦り。