唖然の意味

唖然、とは

口が空いてふさがらないような状況のとき、そう言います。あぜん、と読みます。

目を見開いて、「あ・・・」の声を発するような口の形で押し黙る状態、これは唖然としている、といえるでしょう。思いがけない状況に出くわしあっけにとられる状態です。

言葉の解説サイトのコトバンクによると、唖然の唖という漢字の意味は、

〘名〙 (「おうし」の変化した語) 発声や聴覚の器官の障害によって、言葉を発することができないこと。音声による話ができないこと。また、その人。聴覚を失っているための言語障害の場合を聾唖(ろうあ)、聴覚は完全で、言語機能だけが失われている場合を聴唖(ちょうあ)という。

とあります。

啞の漢字の意味(口へんに亜)

ひと昔前は障害で口がきけない人を「おし」と表現していて、これが差別用語として扱われ、やがて世間的に忌避される表現となった歴史があります。

私の小さい頃(1990年代)は道徳の授業で、この唖(おし)というのは使ってはいけないと教わりました。

そう考えると、唖然という言葉はそうした歴史的背景に隠れて継がれてきた痛烈な表現であるともいえます。

つまり、言葉を失ってしまうほどの状態となることを比喩しているからです。

唖然。ア然と書き表すことも多いですが、これは一つの配慮といえるでしょう。昔は、子供(こども)と書き記されていたけれども、子供の供は供えるという意味で、その昔の人身売買を想起させる、との配慮から、やがて子どもとひらがな表記されるようになった、そういうようにもしかすると、一定の有識者による配慮からの動きかもしれません。

唖然としたエピソード

唖然 意味

ところで、唖然とする出来事がありました。会社に入ってきた新しい中途採用の方が一か月でグロッキーになり、突然会社を体調不良で休んだかと思うとその翌週、辞める、と言ったそうです。

たしかに、私の勤める会社はキツイ!このご時世におよんで残業代はみなし残業という名のもとに支払われず、怒鳴る、詰めるがいまだに横行、という会社ですが(早くこの風潮がやまることを日々切に願っています)、さすがに一か月で辞める、というのは、唖然、、としました。予期せぬ事態、、いや、確かにキツイ会社なので一か月で嫌になるのはよく分かるのですが、それでも三か月くらいは大丈夫だろうとは思っていました。でも、人間、合わないものは合わないのですね。世の中、早々にジャッジする人というのはいらっしゃるということでしょう。

でも、それはそれでいいのかもしれません。無理して人生の貴重な時間を費やすよりは満足のいく仕事を探した方がいいのかもしれません。でも、やはり世間は一か月で退職すると唖然、とするのが実情でしょう。

私も(もし蓄えがあり)不自由ない状況なら一か月で辞めてたかもしれない、、そう考えると、もしかすると、この唖然、とした状態は、羨望の裏返しなのかもしれません。

ということで、唖然、の言葉の意味の解説でした。

 

 

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