値締めの意味

値締めとはメーカーやベンダー(卸売り業者)が小売業者に対して特売条件(何円引き、というように値段を一定の期間負けること、安くすること)を出さなくなることです。

値上げと値締めの違い

原材料高騰、人件費高騰、物流費高騰などで商品の原価(得意先への納入価格)がそれまでの状況と比べて高く割に合わなくなった時に、メーカーは値上げと値締めの手段に出ます。

値上げ

納入原価を上げることです。これで一個180円で卸売業者に売っていたマヨネーズを、200円にする見積もりを提示、これは値上げといえます。値上げの交渉は簡単にいかないことが多いので、やはり値上げを切り出す場合には、切羽詰まることが目に見えている場合が多く、それを見越して値上げ要請をバイヤーなどに切り出します。当然ながら、他の競合メーカーとの兼ね合い、つまりタイミングも重要で、真っ先に値上げを切り出すと得意先から嫌味を言われる矢面にたち、また値上げ幅や値上げ時期についてそこから交渉を切り出されて、営業担当にとってハードな仕事のひとつです。

値締め

値締め 意味

値上げに踏み切るほどでもないが、以前のように特売の原資がひねり出せない(原料高騰や会社の収益悪化など)、そういった時に、特売のための値引き(特売条件といいます)をしない、または回数を減らす、値引き額を抑制する、これが値締めです。

また、市場価格は放っておくと、人気商品であればあるほど、値崩れ(値段が本来の実勢価格よりも安く売られてしまうようになること)を起こすものですが、この状態を是正するために、特売条件を抑えたり、また小売店などに対して、売価の値上げを要請する、これも値締め行為の一つといえるでしょう。客にとっては安ければ安いほど嬉しいものですが、こういう値崩れ状態を放置しておくことは経済の健全な成長にとって望ましいことではありません。

  • 小売店も命がけで商売していますから、どこよりも安い売価を打ち出したい →利益が減って経営に影響
  • メーカーや卸売り→小売店が安くするために原価引き下げの圧力をかけられる、また取引量が欲しいためにそれに応じる→利益が減って成長するための投資ができなくなる

こういうことが考えられます。

つまり値締めによって、それまでチラシで提示されていた価格で買えなくなったり、お店の売り出し回数が減ったりということは、消費者の生活を苦しめることにもなりますが、やむを得ないことなのかもしれません。

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