天候不順による原材料の不作に伴う原価高騰で時限的な値上げに踏み切る―。というように、一時的な対処をする際に用いられる言葉です。読んで字のごとく、時間・時期を区切って(限って)対応することを意味します。
時限の意味
かつての義務教育では、国語・算数などの教科ごとに、1時限目、2時限目などと単位を区切って呼称していました。現代もそうですが、時間割りの呼び方としては何時間目、と呼ぶのが通称でしょう。(すみません、筆者が1980年代生まれのため、現代の呼び名に通じていないかもしれませんので、その際はご指摘願います。)
その他、時限爆弾、のように、終わりが決まっている事物に対して表現する際にも用いられます。
時限的に
時限というと、聞き慣れた言葉ですが、実は時限的に、というと一気に違和感を覚える言葉となります。的に(~のように)とあえてぼかす必要があるのかということです。
例えば、新型コロナウィルスが蔓延している21年では、その対策措置を講じている医療機関においては、その経費を加算する必要があるので、医療費が時限的にふえるとのことです。
飛沫予防や、ソーシャルディスタンスに伴う動線確保など、手間が増えるため、コストが時限的に増える、なるほど。
「一時的に」と同義
つまり、類語としては一時的にというのがよさそうです。しかし、一時的にというのはニュアンスが、軽い印象を受けます。
一時的に避難
ちょっと危ない感じなので、とりあえず逃げてみた、という印象です。
時限的に避難
一旦その場を離れてみるものの、もう戻ってこれないかもしれない、目標として数日後には帰還する予定であるが、もしかするともうこれが最後かもしれない、という深刻さをほのめかす響きがあります。時限的市街地など
注釈)時限的市街地とは
東京都震災復興マニュアルで打ち出している考え方。被災地域に地元被災住民らが留まり、地域ぐるみで復興に取り組むため、仮設住宅や仮設店舗等を時限的に建設すると同時に、被災建物も応急修理して活用していく→本格復興に向かうための「仮設の市街地」
というように、時限的に、という言葉には、時間は限られている、という切羽詰まった様相がその意味に込められています。
筆者、このつらい人生を歩んでいますが、これを執筆している今、厄年真っ只中で苦労しまくっています。今日は3時間かけて一生懸命作業したPCのエクセル仕事、何を思ってか作業に没頭しすぎてしまったがゆえに、完成後の達成感がすごく、その勢いで、「保存しない」で閉じてしまい、すべて無に帰してしまいました。ああ、この苦しみ。こういう時期が人生にはあるものと思いますが、もう本当に時限的なものであってほしいと切に願うのでした。
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