お膝送り、などという言葉は人生でも数度聞くかどうかの言葉です。
膝繰り、とも言われますが、つまりは膝が移動していく様子、座ったままの状態で順繰りに移動して行くことを言います。
膝送りの意味
大人数が集まると、人は、とくに日本人は遠慮しあって互いの距離を取ろうとしてキャパシティ以下にゆったりと席を取ろうとします。
悪いなと思いながらも、敷き詰まった部屋で、遠慮して人と人との間を保とうとしてしまう。それゆえに場所が空きます。
一番分かりやすいのは、セミナーや講習所などでランダムに着座して良い場合などですが、とにかく後ろから座ろうとします。
主催者からすると、人員整理のため、とにかく前から座って欲しい!
簡単にいうと、
詰めろよ!と。
この、詰めてくださいよ!の感情こそが、膝送りです。
座った状態で順番に詰めていく様子をみると、膝を起点にして動いていく様子が目に浮かぶと思います。人間が座った状態から移動する時は膝を拠点として動作しますが、この膝を押さえながら席を移ろう様子ことが、膝が送られていき、列車のごとく前へと繰られていく、これが膝送りです。
飲み会で使えるとシブい!
会社の飲み会などでは、特にあるある現象、上座にいくほど偉い手がいて、近づきたくなく、下座に人がたまる。
そんな時、幹事の出番です。仕切らなければなりません。
ここで、
はい、前へと詰めてください〜!
では、誘導係的な立場を抜け出せません。
ここで、
はい、恐縮ですけれども、順次奥へと膝送り願います!
と言えたら知性があってスマートな印象です。
おそらく、膝送り?とこの聴き慣れない言葉に、指図を受けた社員さんたちは戸惑いながらも、そのニュアンスは言葉の響きから察知、
ああ、なんて知的な響き、いらっしゃいませをおいでやすというような?情緒、そして由緒がありそうで気品のある言葉、、
と感じてくれるのかどうかは謎ですが、
どこか、つい耳を傾けてしまう品性がある言葉だと思います。
使えたら格好いい言葉です。
尊敬語のように用いる
おい、お前ら!
気を聞かせて膝送りしろよ!
というように目上から目下に向かっていうと違和感があります。どちらかというと格式ばった場で目下から目上に対して用いる尊敬語のような言葉でしょう。
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