会話をしていると、不意に素早く瞬きをして白目になる人がいます。目をパチパチと高速でまばたき(目をしばたたきながら)、を繰り返している間、瞳孔が上に行ったり戻ろうとしたりとして忙しなく動き、白目に見えてしまう状態です。笑う時にも同じような所作で白目になる現象です。
白目をむきながら話す人

話しているとふいに白目に。笑った時もアハハ、と言いながら目が上を向いて白目に。
喋っている最中にふと相手の目を見ると、高速まばたきすると同時に白目になっている。
白目をむくという現象は異常事態で、それを目の当たりにした当事者としてはつい気にかかってしまいます。しかし、話しながら白目になる人が話しているときの体勢をみると、顔の向きはしっかりこちらをとらえているし、話す内容も問題ないものですから、なぜそういう白目になるのか、聞き手としては不思議に思うことがあります。
いきなりその白目モードになるのではなくて、話を続けているとふとまばたきが早くなって黒目がなくなっているという瞬間が訪れます。笑った時、焦った時や戸惑ったとき、動転した際など心に揺らぎが起きた時に、そういった、まばたきしながら白目になるクセが出ているような気がします。
素早いまばたきで白目になる、こういう人が一定数いることは事実です。 こういう動きを別々の人たちがそれぞれ同じ動作でやるものですから、これは何か意味があるのではないかと考えられます。 そういう心理はどんなものなのか調べてみました。
視線を避ける文化による無意識な視線外しのため
日本人は視線を避ける文化です。
サイト:necton「日本人は本当に他人からの視線に弱いのだろうか?」 からの引用によると、
教科書(東京書籍)『新しい国語2』に「視線を避ける文化」という教材がある。総じて外国人が他者の視線に強いのに比べ、日本人は他者と視線を合わせることを苦手としている。
※※※
教材では、我が国の民俗学の先駆である柳田国男のユニークな『にらめっくら(にらめっこ)起源説』が引用されている。それによると「私たちの祖先は、仲間うちでは平気だが、共同体の外に出ると他者の視線を意識してしまい、見られるだけの存在となってしまう。そこで、視線強化の為に《にらめっくら》が生まれた。」というのである。
実は、本校生徒にも全く同じついつい目が合うとなんか気まずいというのは周知のとおり、誰でも恥ずかしいというか照れるというか気まずいものです。 お辞儀文化は最たるものでして、申し訳ない時って人はますます相手と目を合わせることができないものですから、頭を下げて完全に視線を避けるということでしょう。
お辞儀文化にもあるように、視線をナチュラルに外そうとする。
要はシャイ、照れてしまうので視線を避けてしまう、
会話中も、目が合うのを無意識にさけようとして、黒目を上に逃がすことでそうさせようとする反面、視界確保も同時に必要であるため、上下に激しく動かせようと反応するのかもしれません。
心理学的には「焦りながら何かを思い出そうとしている」状態なのではないか
話しながら白目になる人は、その行動をみると、①まばたきの回数が多くなると同時に ②目を上に移動させている というように見て取れます。
これを心理学的にみると下記の考察ができます。
まばたきの回数が多い
まばたきが多いのは、緊張や不安の表れだと指摘されています。
■緊張度を示す指標
この「まばたきの多さ」が表しているのは、相手の緊張度です。まばたきの回数は、脳内伝達物質であるドーパミンの影響を受けており、多ければ多いほど、相手が緊張していることを示していると言われています。(中略) 特に注目すべきは「会話中のまばたきの回数」です。会話をしていないとき、人は、自分の緊張状態を相手に悟られないように、まばたきの回数を意識して、コントロールすることが可能です。しかし、会話中にはこうしたコントロールが効かないことも多いもの。
≪引用:緊張をすると、まばたきの回数が多くなる心理「平常時:男性 20回 女性 15回」|マイナビウーマン≫
まばたきが多い時っていうのは確かに緊張したり焦ったりしている時ですよね。これは納得です。つい目をパチパチしてしまいます。
白目をむく
白目になるときというのはだいたいが黒目が上向きになるという状態のことかと思います。この状態は心理学的にいうと「何かを思い出そうとしているとき」もしくは「何か考え事や想像をしているとき」だそうです。
つまり、こうして考察すると、素早いまばたきで白目になる人というのは、 緊張した状態で、何かを思い出そうしているもしくは考えを巡らせようとしているとき だといえそうです。
チック症かもしれない
チックというのは、自分の意識とは無関係に身体反応が起きる現象で、この高速まばたきなんかもそうなんじゃないかと思い調べてみると、それらしい文献がありました。筆者にも吃音の癖があり、コントロールができないものでこの苦悩はよくわかります。
運動チック障害の種類
運動チック障害の種類 | |
単純運動チック障害 | 単純運動チック障害は、素早い瞬きや首振りのような、瞬間的で稲妻のようにすばやい筋の不随意な収縮などによる障害です。 単純運動チックの典型的症状には、瞬間的に目をパチパチと瞬きしたり、横目をしたり、目を回す、白目をむく、口を歪める、鼻を曲げる、顔をしかめる、肩をすくめる、頭部を急激に動かさせるなどがあります。 |
複雑運動チック障害 | 複雑運動チック障害では、顔の表情を何度でも繰り返して異様に変えたり、飛び跳ねたりする、物の匂いをかぐ、あるいは地団太を踏むような不随意な症状を呈します。 |
上記引用とみると、 素早いまばたき、白目をむく、 これは前述の症状に当てはまるポイントかもしれません。
白目になる人は70人に一人くらいはいるような気がする
体感的に白目になる人は100人に一人以上はいるような気がします。だいたい70人くらいにあえば一人くらいの計算です。
人間だれしも、焦ったときはまばたきの回数が多くなりますが、その際に目が上に行ってしまうかどうかだと思います。
じーっとしている時にはそういう白目になるわけではなく、あくまでも話している時に白目になることから、やはり動揺が見られやすいタイプの中にそうなる癖のある方がいるのかもしれません。おっとりしている人にも見られるかと思えば、せっかちな人にも見られ、ゆっくり瞬きで白目になる人、高速まばたきでパチパチパチとしながら白目になる人もいます。
見ている方としては白目は別に気にならない
何度もそういう人たちを見てきましたが、見ている方としては特に気にはなりません。
ですので、もし白目になってしまうことを悩みに思わなくて大丈夫です。
なぜ人間の白目は白く大きいのか?
白目にまつわる雑学です。
霊長類において、人間だけが白目の部分が白いといわれます。また白目の部分が他の動物に比べて大きく広いとされます。これはなぜでしょうか。
これは、NativeMedhiaによると人間は、食卓を囲んで食事をするうちに、相手に安心感を与えるためだそうです。
それは、白目を白く大きく発達させることにより視線の向きを相手に伝え、
相手に『あなたの食事を狙っていませんよ』と示すサインだそうです。
発達学的な根拠としては以下の通りだそうです。
●人間は、立って歩くようになった。
↓
●そうすると必然的にメスの産道が狭まり、子供がまだ成熟しないうちに出産するようになった。
↓
●必然的に授乳するメスが子育てに長時間携わるようになる。
↓
●するとオスが獲物を獲ってきて、子育て中のメスのいる家族や集団で食卓を囲まざるを得なくなる。
↓
●そのため安心して向き合って食事ができるように、白目を「白く」進化させた。
なるほど、つまりは白目は社会的に高度な進化です。
話している時に白目を相手に見せるということは、
もしかすると、ちょっと戸惑っています、少なくとも自分は今、あなたに危害を加えようとは思っていません、
というサインなのかもしれません。
また、
下記文献によりますと、より科学的なアプローチが見て取れます。
出典:口下手な人は知らない話し方の極意(集英社新書:著者 野村亮太)
▽▽引用開始
視線は強力な指標になる
目からの情報の中でも、視線の向きは特に重要である。
人は話を聞いている時、話し手を見ている。逆に言えば、視線が剥けられていない場合には、聞いていないことが多いということだ。
もちろん例外はあるとしても、ちゃんと注意を向けて話を聞いているサインとして視線が機能することは間違いない。
視線が多くの情報を示すことができるのには、ヒトの目に特有の構造が関係している。ヒトの目は瞳孔と虹彩の外側に鞏膜(きょうまく)と呼ばれる部分が発達しはっきりと白くなっている。いわゆる白目だ。
白目が大きいのには、人が森林を出て二足歩行を始めたことが関係しているようだ。
木の少ない平原では、遠い距離でコミュニケーションを図る必要があった。黒目が白目と対比されることで、ヒトは遠くからでも視線の向きを読み取れる。それに対して、類人猿であってもチンパンジーやボノボには白目の部分が見られない。
映画、「猿の惑星」を見ると、猿に人らしさがあってなにか違和感を覚える。それは、出てくる猿が毛深さや張り出した眉間(眼窩上隆起)といった面では猿の諸特徴を持つのに、白目が大きく発達しているというヒトの特徴も兼ね備えているからだろう。
視線を集めているということは、一対多の状況であっても聞き手の注意が話に向けられていることを示しており、観客の反応を知るうえで、素朴ながら強力な指標になる。
△△引用終わり
つまり、人が意思を相手に伝えるためのツールが白目。
そのため、白目を相手に示すという行為は、今はそっとしておいてくださいというサイン、もしかするとその瞬間は、思考に集中するがために、いったん視界をシャットダウンするための反射なのかもしません。目を閉じれば解決しますが、それでも相手に気を遣い目を開けたままで視界をシャットアウトするための手段として、白目になる状態を創出する癖がついたのやもしれません。
瞬目バースト、そうとも表現されるようです。(瞬目バーストの症状:なにかに注意を向けている時には、まばたきは抑制されるが、注意を解いたときに、素早い瞬きが立て続けに起きる現象。数ある生き物の中、まばたきは群れのメンバーが増えるほどに頻度が高まるという研究があります。ヒトの場合は注意配分と注意解放のサイクルとまばたきに相関関係があるようです)
コメント
います。白目になる人。
私の知り合いは、話していると、
「それはつまり、何々ってこと?」と首から下の体をゆらゆらと動かしながら、瞼をシュパシュパとさせながら、白目になっている人がいます。
本人は気が付いていないみたいですが、行動がパターン化していて、だいたいが相手に共感しきれなかったとき、やりとりがちぐはぐになってしまった時などに訪れる瞬間です。
チックでしょうね。
目をしばしはさせながら白目になってるんですけど、無意識にそうなってしまうんだと思います。これは反射的なものなのでひとつの癖のようなものでしょ
白目を科学すると、動物はあまり白目が目立ちませんが、それと対比して人間はとても白目がちです。
何か進化の形跡があるのだろうと思えばやはり、ある。
動物に於いては、その食物連鎖の中で、食べられる運命にあることがほとんどですが、より強力な種を保存するために、賢い遺伝子が生き残っていきます。
すると、どうでしょう。
賢い遺伝子こそが残るためには相手を欺く必要があります。
そのためには
自分のことを悟られてはいけません。、つまりは表情を読み取られてはいけません。
表情は目にもっとも出ます。目の特徴はどこを向いているかです。動物は瞳孔を見てその恐れ具合や焦り、つまりは今の感情を、そして、どこを向いているかによって、何を思考しているかを読み取ります。(心理学的に動物は何かを思い出す時に斜め上を見るなど定型的な癖があります)
長くなりましたが、人が白目を獲得しているのは、この高度に発達した社会を生き抜くためです。一つは社会的に友好関係を結ぶために表情豊かになるため、そしてもう一つは身を守るために周囲を欺くことです。
白目は本来なくてもいいのですが、このように非常に心理戦、社会性において重要な役割を持つのです。
焦ってくると反射的に視界が上に行ってしまいます。
不意をつかれた時や、思うように話が運ばずあたふたする時に、相手から隠れたい逃げたいと思います。
もしかするとそんな時に白目になってるのかも!?
人の白目を気にする前に私もまたそうなっているかもしれません)汗
話しの最中に目を瞑りながら話す人がいるけど、多分そういう人たちも瞼の裏は多分白目。要は考え事をしてるんだと思います。