励んで行う、と書いて励行、です。読んで字のごとし。
人間という生き物はどうしても怠けて生きていたいものです。もともとの生命の始まりが、ゼロつまり無、を起点としている以上これは避けられないことなのかもしれません。
しかし、この社会、自分以外に何人もの人たちがいる以上、一人で好きなように生きていくわけにはいきませんから、社会に役立てるよう、何かに励み続ける必要があります。励行です。
励行の読み方
励行と書いてれいこうです。
励行の意味
●やると決めたことを努力して行うことをいいます。もちろん、その目標は社会通念上、よいとされること、美徳とされることをさします。
●社会的に見てやったほうがいいとされることを守ってとりおこなうことです。
励行の使い方
●インフルエンザが流行しはじめて、学校ではうがい手洗いの励行を呼び掛けている
●国語の点数が悪いので、毎日15分の読書を励行することにした
●健康のため、毎朝起きて30分の散歩を励行している。
誤用
●暑い。今年はまだ5月だというのに強い日差しで、待ち合わせの時間に早く到着したタケシは近くの喫茶店に入るなり、「レイコー(※)を一つ」と頼んだ。 (※大阪でアイスコーヒーを意味する冷コー、昭和レトロな表現です)
レイコーと励行は何も関係がございません。
追伸
人間というものは生きていく上で何かしら信条を抱くとともに、こうありたいという自己像を思い描くものです。
だれしも、そのありたい自己の理想像を意識するしないにかかわらず持っているものだと思います。そして人はそれをもとに目標を持ち、その実現に向けて取り決めたことを励行するものだと思います。
けれども、この自己のありたい姿とその資質は必ずしも一致していなくて、往々にして努力が報われない、という現象が起こります。好きな人が自分を好いてくれず、そうでもない人から好かれる、そういうアンマッチは、まるで神様がバランスゲームを嗜んでいるようです。
何かを励行することは美徳ではありますが、それに見返りがあるとは限りません。
だからこそこれはモラルの一つであり、やって当たり前、ゼロ評価の減点方式であるのかもしれません。
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