「『はしなくも』の意味と正しい使い方!誤用例も紹介

「はしなくも」の意味とは?正しい使い方と誤用例を徹底解説!

日本語には、日常ではあまり使われないものの、知っていると知的に見える言葉がたくさんあります。その一つが「はしなくも」。

普段の会話では耳にしないこの言葉、なんとなく使い方が分かるようで分からない…そんな方も多いのではないでしょうか?

本記事では、「はしなくも」の意味や語源、正しい使い方、誤用例まで詳しく解説していきます!


「はしなくも」の意味と読み方

読み方

👉 「はしなくも」(漢字表記なし)

意味

「はしなくも」とは、思いがけず起こったことや、予想しなかった事態に対して使う言葉です。

類義語:

  • 図らずも
  • 偶然にも
  • 思いがけず
  • 不意に

例えば、「はしなくも涙がこぼれた」と言えば、本人は泣こうと思っていたわけではないのに、感情が溢れて自然に涙が出たというニュアンスになります。

英語ではどう表現する?

英語で「はしなくも」に近い表現は、以下のようなものがあります。

  • unexpectedly(予想外に)
  • unintentionally(意図せずに)
  • by chance(偶然に)

例えば、
👉 I unexpectedly met my old friend at the bookstore.(はしなくも古い友人に書店で会った。)


「はしなくも」の語源

「はしなくも」は、元々は古典的な表現「端無く(はしなく)」に由来すると言われています。

「端無く」の意味

「端(はし)」は、ものごとの端や境目を指す言葉ですが、「端無く」となると、「筋が通らない」「まとまりがない」といった意味合いを持ちます。そこから転じて、「思いがけない」というニュアンスが生まれました。

現在では「はしなくも」という副詞の形で使われ、偶然の出来事や予想外の展開を表現する言葉として定着しています。


「はしなくも」の正しい使い方

では、「はしなくも」はどのように使われるのでしょうか?実際の例文を見てみましょう。

例文①:思いがけず知る

📌 「はしなくも彼の過去を知ってしまった。」
👉 予想していなかったのに、偶然知ることになったというニュアンス。

例文②:偶然の出来事

📌 「はしなくも、その事件の目撃者になってしまった。」
👉 予期せず事件に遭遇したことを表す。

例文③:感情が溢れる

📌 「彼の言葉に、はしなくも涙がこぼれた。」
👉 予想外に感情がこみ上げ、涙が出たことを表す。

★ポイント:
「はしなくも」は、「偶然の出来事」や「無意識のうちに生じたこと」に対して使います。


「はしなくも」の誤用例と注意点

「はしなくも」は意味を知らないと誤用しやすい言葉でもあります。代表的な間違いを見ていきましょう。

誤用例①:「宿題はしなくてもいい」

「宿題はしなくもよい」(完全な誤用!)
👉 「はしなくも」は「偶然」や「思いがけず」という意味なので、「〜しなくてもいい」の意味にはなりません。

誤用例②:「私ははしなくも会社を辞めることにした」

「はしなくも会社を辞めることにした」(誤用)
👉 会社を辞めるのは自分の意思による決定なので、「はしなくも」は適しません。「図らずも辞職することになった」なら適切。


「はしなくも」と「図らずも」の違い

「はしなくも」と似た表現に「図らずも」があります。違いを見てみましょう。

はしなくも 図らずも
意味 予想しなかった出来事 計画していなかったが結果的にそうなった
ニュアンス 予期せぬ偶然性が強い 意図していなかったが結果的にそうなる
例文 はしなくも彼の本音を聞いてしまった 図らずもリーダーに選ばれた

違いを理解して使い分けると、より洗練された日本語表現ができます。


まとめ

  • 「はしなくも」とは、思いがけないことが起こるときに使う言葉
  • 類義語は「図らずも」「偶然にも」など