椅子引き、椅子を引くという言葉があります。この際に椅子を動かす方向は、後ろが正解でしょう。椅子引きというイタズラがあります(誰かが座ろうとするときにこっそりと椅子を後ろにずらすことで転倒を狙い、その様子を嘲笑の的にする稚拙かつ身体損傷を伴いかねない危険はものですが)この場合はやはり後ろに椅子をずらすことを指します。
椅子を引く、の意味
上記で解説の通り、椅子を後ろに移動させることです。
椅子を引く、の引くという行為はその対象となる椅子を自分の方に近づける(引き付ける)動作になります。
椅子は本来、机の下に座る部分が格納されている状態をデフォルトとみなされるので、座る際には引く行為がセットとなります。
椅子を机に戻すこと(前に移動)を、椅子を引く?逆方向
まれに逆方向に椅子を動かす行為を、椅子を引くという方がいます。
「席を離れる際は、机の下に椅子を戻してくださいね。」
を、
「はい、今日の授業はここまでです。皆さん、椅子を引いてお帰りくださいね」
というように表現することです。
これは誤用かと思われます。
そのシチュエーションからして意味は伝わるので問題はないのでしょうけれども一瞬混乱する表現です。
浅く座った椅子を深く腰掛けるために、体側に近づける=椅子を引く
もうひとつ、ややこしいのが、浅く腰掛けた椅子を動かし体に近づけて深く腰掛けた状態にする場合です。
椅子の後ろのスペースが狭く、そこを通る人の迷惑になっている時に、
「もうちょっと椅子引いてくれる?」
と注意する。
誤用のようにも思えますが、これはこれで正解といえます。
なぜなら、自分側に椅子を動かす(引きつけている)動作になるからです。
つまりは、場合によって、椅子を引く行為は前にもなり後ろにもなるという見解です。
ちなみに椅子引きのイタズラは危険
私の職場には40歳にもなっていまだにこの椅子引き行為をそのイタズラとして楽しんでいる上司がいます。大人にもなってこういうことをする神経が信じられませんが、真剣に仕掛けてくるので怖いのです。
例えば、デスクの向かい合わせにいる人に向かって私が椅子から立って話しかけている時に、背後からそうっと椅子を引いてくるのです。周囲も気づいているものの、その上司の反撃がこわくて黙っている状況、そのまま気づかず座ってしまう可能性は大いにあります。(幸い、私は一度やられてから警戒心を抱くようになりその上司がいるときは座る寸前まで椅子を確認する癖がついたので引っ掛かりません)
椅子引きで頸椎損傷
もし、気づかず腰掛けが空ぶった場合、そのまま後ろに転倒します。その際に引かれた椅子に後頭部をぶつける可能性があります。
中年になると足腰も弱いため、見事に転び、椅子に後頭部をぶつけて思い切り首(頸椎)を損傷する可能性があります。
本当に危険な遊びだと思います。 このイタズラ好き上司は、他にも画鋲(押しピン)を椅子にこっそり置くなどの悪質極まりないこともやってきますが、これらの椅子にまつわるイタズラは全体重がのしかかってくるためかなり危険です。
実際にこのイタズラで、下半身不随になり、夢だったプロスポーツ選手を諦める結果となった男性の話がネット上でもありますが、全然不思議ではありません。このイタズラは本当に危険です。
椅子を引く、椅子引きのイタズラは禁止です。
椅子を引く、椅子引きは方言か?
方言ではありません。
椅子を引くという言葉を、体側に寄せることを引くという意味合いで使っている場合は標準語だといえます。ただし、それとは違う意味合いで用いられる場合は方言といえるでしょう。(例えば布団を敷く、これを関西では布団をひく、といいます。ただし、現代では布団をひくもまた全国的に用いられている言葉となっています)
コメント
椅子を引いて人がこけるところを見て何が楽しいのでしょう。これはテレビ番組で人を陥れたり辱しめたりすることで笑いをとるという、幼稚な芸に日本人が関心を持ち、いつまでも無条件に興じているからでしょう。
椅子引きは非常に危険なイタズラです。、いや、殺人未遂といっても過言ではありません。これをやる人間というのは良心が欠如した、共感性を欠いています。
椅子を引くって、机にしまうことじゃなかったのか。。大体、先生がよく、「みなさん、椅子をひいてね」と片付けるように指示していたのを覚えていて、逆の意味で解釈していました。
>辰夫様
引き戸、という家の戸を思い出すと分かりやすいのではないでしょうか。引き戸はレールの上をスライドさせて、開く、タイプの戸のことです。和室の襖は大体引き戸ですが、引くことはつまり開けること、閉じている状態から引き出すことです。つまりは、引きだす、椅子もまた、引くことはスライドさせて出すことを意味するのだと思います。
椅子引きは非常に危険な悪戯です。これを大人になってもやろうとする人は遺憾なことです。世の中からなくすべきあしき行為、椅子引きは危険なイタズラです、というキャンペーンをうつべきです。
椅子引きは、2058年に法案で傷害罪に認定される事案です。馬鹿けた遊びを、些細な悪戯と片付けてはなりません。
それで重大な損失を受ける人がいるのですから。
人は大きな過ちを犯さないように気をつけますが、些細な過ちは些細ゆえに気をつけず積み重ねるものです。
椅子引きの悪戯も、積み重なると重大な事件を生むのです。食い止めなくてはなりません。