抹香臭いの意味

抹香臭いの意味

抹香は葬式・法事に用いられる香料(火をつけて香りを出すもの)ですが、これが転じて仏事めいている、つまり説教じみている、まじめくさっている、現場を顧みず正論や理想論ばかりを唱えている、というような意味合いになります。

ニュアンスとしては、通念上理解のおよびやすい道徳的な概念に対しそれを遵守するよう求める行為、つまりは宗教的に他に求める行為を、抹香臭いといえると判断できます。

いちいち、正論を振りかざしそれを組織内に広めようとする人がいますが、そんなもの、分かっちゃいるけどこの体制で出来っこないよ!でもそれを主張するこの人は律儀にやってるなぁと、

でもそんな無茶できないよ、逆にあなたが真面目に働くからこそ、比較されて我々はきつい目に遭うんだ、、

そういった感情を心の内部にいだくとき、あいつは抹香臭いなぁと、そういわれれるのかもしれません。

抹香臭いといわれるのははっきりいって、融通の利かない堅物、と揶揄されていると思っていい内容かもしれません。

まっこうくさい

抹香とは

→ 葬式の焼香の際に使う線香のくずのようなもののことです。お焼香というと、あの、一番最初にやりたくない(手本として後列者に見られるため)供養のひとつで、弔いの対象となる死者に対して、(その抹香をつまんで額の前で振って壺に収める例の)儀式です。

その際の抹香とは樒(しきみ)と呼ばれる木を原料にしたものです。

樒と榊(しきみ と さかき)はそれぞれ仏式、神式のお供えで用いられる緑色をした常緑小高木です。しきみさかきを見分けるのは非常に難しいですが、普通に眺めれば特徴の違う植物であることは見て取れます。

しきみ、といいますが、西日本などではしきびという発音の方がしっくりとくるかもしれません。

抹香の原料の樒は榊と違いが見分けにくい、自身の生活には馴染みがないために。

そもそも、いくら生きにくい現代の社会といえども古にくらべると生命を脅かすほどの危険性は取り除かれ(もちろんそれでも目の届いていない例外があることは事実)、おしなべて安穏としている社会にあっては、目に見えない神仏にすがろうとする習性が薄れつつあり、このように、しきみと榊の区別がつかない人が増えていることは必然の理ともいえます。

抹香の原料はしきみ・しきび

抹香は冒頭でも解説したとおり、原料がしきみ(しきび)です。抹茶はお茶の葉を粉末状にしたものですが、抹香はいわば線香を粉末状にしたものです。抹の文字は、なでる・こする・ぬりけすというような意味合いがあり、抹香とはつまり香料をその過程で細かくしたものといえます。

抹香臭い、の意味

ここで本題となります。抹香臭い。抹香はそもそも死者と弔う際に用いられる香料であり、臭いものではありません。もともとはこの抹香や線香というのは死者から漂う腐敗臭を消すために用いられるようになったのが起源とされていますが、それゆえに、臭いものではないはずです。

なのに、抹香臭いという表現。

 

 

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