優からにんべんを外すと憂
優しい字ににんべんなしで憂う(うれう)です。
憂うというのはつまり、憂鬱という字に代表されるように、心配であるとか沈んだ気持ちであるとかそういった意味合いです。
つまり、
優の文字から
イ(にんべん)をとると、
憂
です。
「首」から上にあってその下にある♡つまり「心」が「変」、みたいな組み合わせの字ですが、まさに読んで字のごとく、平常心でない状態、つまり心がおかしくなっている状態です。何かを案じている状態です。思い悩み、気がかりな心持ちです。
そんな憂いに人が寄り添うから、優しい、のです。心配で弱っている人に寄り添ってあげることはとても優しい人間です。
憂うの使い方
備えあれば憂いなし、という防災用語があります。地震、雷、火事、親父、、、災害は怖いですが、日ごろからそうしたことが起こることを前提に備えをしていれば、いざそういう目に遭っても大丈夫、きちんと対処できるから心配ないよ、という意味です。
追伸
ちなみに私は、憂いだらけです。これを書いている今は40歳で厄年真っ只中、厄年って本当にあったっていいたくなるほど苦難の日々に、もう毎日会社に足を運ぶだけで精いっぱい、将来を憂う日々です。いつまで自分はこの状態が持つのだろうと。
ちなみに先日は、母親からお金の無心をされ(母親はシングルマザーで貧乏なものですから)、それに応じてあげられず(私もまたお金がない)、憂鬱な気分となりました。
お金がないことが分かっているのに無心されることに対する陰鬱とした気持ち、
また困っている母親を助けてあげられない不甲斐なさに対する自己嫌悪、
こうしたものが混ざり、ひたすらに暗澹たる気持ちになりました。
またこうした気持ちは夢にまで出てきます。
寝ている間にまで姿を変え像を結ぶ。どこまでも追いかけられ、安らぎを与えてくれないこの状態こそ憂いと呼ぶほかどう表現できるのでしょうか。
嬉しい(うれしい)と似て非なるこの言葉、
備えあれば嬉しいな♪
というとなんか文脈がつながってシュールさに一本筋がとおる小気味よさがありますが、別物です。それは誤用。
嬉しい(うれしい)、と憂い(うれい)は、おなじ「心」の意味の「うれ」が語源ですが、意味がまるで正反対になってしまいます。
しかし、人生万事塞翁が馬(人生は幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないもので幸不幸は予測しがたい)という諺があるように、嬉しいと憂いは表裏一体で繰り返すものなのかもしれません。
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