INFPーtと診断される筆者にありましては、この遠慮がちな性格にあって、果たして同じ性格類型においてINFP-A(この-Aというのはassertiveの頭文字で自己主張という意味です。ちなみにINFPーtの-Tというのはturbulentの頭文字で確固たるものがないという意味です)という自己主張型のタイプが存在するのか?といぶかる次第です、が、確実にそのタイプは存在するとのことです。
しかしこれは筆者の思い込みであり、ただでさえ珍しいとされるINFP型にあって、INFP-Tはさらに珍しいようです。
INFP-TはINFP-Aの裏のタイプ
INFP-Aは自己主張が強いタイプで、INFP-Tは波乱にのまれる性格とされています。INFP-Tは、内向的な性格で、他人に翻弄されるタイプとも見られます。
INFP-Tであるかどうかのチェック方法
INFPの中でもTとAがありますが、INFPTとはどんなタイプか?
1. 悲観的
INFP-Tは、自身の人生に満足していない人の方が多数といわれます。なかにはこの不満をバネに、明確に目標を定め努力する人もいます。
ただ残念なことに、完璧を求めるあまり、努力がキャパシティーを超え挫折してしまうことも少なくないようです。そうして、時には、人生のすべてや自身に対して期待破れであったと否定的な見通しを持つようになる、という悲観性を持ちます。
2. 感受性が豊か
INFP-Tの性格は、自分の感情を深く感じ取ることに長けています。嬉しいときは本当に嬉しいと感じ、悲しいときはかなり落ち込みます。悲しいと思えば、涙を流します。
ただ一見弱点のように見えますが、そうではありません。
泣くということは、その人がどれだけ自分の本心と向き合っているかの指標となっていることが多く、つまりは泣くことでストレスが発散され、乱れた心が少しリラックスするというメリットがあるからです。感情が表に出やすいことは、一見弱点なようでいて、実は隠れた強みといえます。ただ、は繊細すぎると、頼りなく思われることもあるので感情の発出の際には注意は必要です。
3. 謝ることに抵抗がない
INFP-Tは、何かにつけ後悔の念に包まれるかと思います。(会話した後の脳内反省会など)
ただ、謝ることに抵抗はなく、被害者の立場となった状況でも謙虚であろうとし、相手に対して傲慢な気持ちを抱くことはあまりありません。
後悔に溺れているわけではなく、自らが抱くもろもろの感情と同様に受け止め、自分の罪の一部を償うために何をすべきかを考えているのです。そう、時には、自分のせいでないときに謝ってしまうようなこともあるますが、放っておくよりは、心の平静を保てるのです。
4. 意見を求める
自己主張の強いタイプのINFP-Tは、ほとんどの事柄について自分で決断できるかもしれませんが、INFP-Tは、むしろ事前に人に意見を仰ぐタイプです。特に、人生そのものに影響を与えるような重大な決断をする際には、友人や家族の意見が欲しいと考えます。
これは、自らで決断できないという意味ではなく、他の人がどう考えているかを知ることに関心があるだけのことです。謙虚な性格ゆえに、意思決定において賢明でありたいという願望ともいえるでしょう。
5. 失敗を糧とできる
仕事をするとき、少し気が逸れると、結果的に失敗することも少ないことでしょう。けれどもINFP-Tは失敗は成功の母ということを肝に銘じています。INFP-Tは仕事の失敗の本質を見抜いて、それが成功するまで努力することができます。失敗したことに対し嘘をついたり、ごまかしたりしようとはしません。心を痛めながらもその失敗と向き合う内省の力があります。
6. リスキーをとらない(石橋を叩いて渡る)
INFP-Tは、何かにつけ意思決定にまつわる事柄に対してリスクをとる(危険があると承知した上で敢えて臨む)ような決断をしません。思い切ったことをしたことで起こるマイナス効果は、得られるリターンよりはるかに大きいと恐れます。つまりハイリスクハイリターンの考え方に馴染みません。
これはINFPの性格特性としてあげられますが、内向性がリスクを取ることに対して慎重になろうとする癖があることです。この内向的な精神は、危険、波乱から身を守ろうとする本能でもあります。
INFP-T,INFP-Aともに稀少な価値あるパーソナリティー
内向的で、直感的、感情的、知覚的。不安を抱え持つINFP-T。世界でもわずかな割合といわれるこのタイプ。そしてINFP-Aもまた、ユニークで珍しい性格のタイプ。誇らしいことです。
それゆえに、世間に溶け込めないようなところもあるかもしれません。しかしだからといってそんなに自分を責めることはありません。INFP-Tは、短所も長所もすべて備えた特別な存在なのです。だから、自分の人生をよりよくするために努力することが大事です。またその結果が実るタイプでもあります。自分の人生を最大限に楽しむ努力を怠ってはいけません。
間違いなく周囲から必要とされているのですから、自分らしさを受け入れて生きようではありませんか。
INFP-AとINFP-Tの比較
INFP-AとINFP-Tの共通項
INFPは、より深いレベルで人々を助け、理解しようとする共感力があります。ヒーラー(癒し手)としても知られているように、自分や他人の感情にとても敏感です。
この力をもって、関わる人に合わせたアプローチを施すことができます。
またこのタイプは、個性的で、創造性をもち、豊かな想像力、そして強い理想主義であるといわれます。
INFP-AとINFP-Tの見分け方
INFPにはINFP-AとINFP-Tという2つのサブタイプが存在します。
状況への対処の仕方や自分の能力に対する自信の有無で-Tか-Aかに分けられます。
友人関係におけるINFPーAとINFP-Tの違い
どちらのタイプも他人の感情に興味がありますが、INFPーTはINFP-Aに比べ、他人の意見をより重要視します。そのため、INFP-Aよりも友人の様子を伺い、彼らの意見や気持ちを聞こうとする機会が多いでしょう。
自信と自己主張の強いINFP-Aは、他人の意見に左右されにくく、INFP-Tよりも自立している傾向があるといえます。
INFP-Aはその自立性から、友人に働きかけたり、意見を求めたりするINFP-Tに比べ、助けを求めたり、アドバイスを求めたりすることが少ないかもしれません。
INFP-TとINFP-Aにおける人間関係
INFPは一般的に聞き上手ですが、INFP-Tはとくに周囲の意見や見解を求める傾向にあります。そのためINFP-Aよりも、より聞き上手といえるでしょう。一方でそれは他人への依存心が強いともとられます。
またINFP-tはINFP-Aよりも感情的であるといえます。対してINFP-Aは自分の感情を自分の内に留め、隠すような傾向があるでしょう。ISTPのようなきらいがあるかもしれません。
INFP-Aは陽気で楽観的でもあるため、物事が順調に進んでいると考える傾向にあります。そのため、日々の人との関わり合いにおいてケアしておいたほうがいいポイントに気が付かなかったり、問題として捉えない、つまりおおらかであるがゆえのフォロー不足が発生する可能性があるといえます。
職場におけるINFP-tとINFP-A
INFPは仕事においても献身的であるといわれます。特に仕事のビジョンが自分の価値観に合っている場合には、その傾向が顕著でしょう。ただ、INFP-Tの場合はこの理想主義が重荷になることが多いと思われます。ストイックゆえに自らを苦しめてしまうのです。INFP-Aに比べて、自分の仕事や業績に対して自己批判的で、また非常に高い目標を設定しそのギャップにもがくことになるからです。
INFP-tもINFPーA、どちらも仕事熱心ですが、自己批判的なINFP-Tは自身の至らない点を認識すると、それを克服しようと躍起になることがあります。そうしたことから、INFP-Aに比べ自己不全感を抱いている可能性が高いでしょう。ただINFP-Tにとって自己不全感は次なるアクションへの原動力ともなりますので否定すべきばかりではないでしょう。
翻ってINFP-A、これが楽観的で目標設定が低いということを意味するものではありません。INFP-Aは、職場で周囲に力や刺激を与えることができます。
チームワークにおけるINFP-TとINFP-A
INFP-Aの明るい性格は、INFP-Tよりも周囲に受け入れられやすいことでしょう。前向きな雰囲気を出しています。また、INFP-Aは目標達成志向は強いものの、楽観的な性格が影響して、INFP-Tに比べると目標達成に向けて周囲に対してプレッシャーをかけることがないでしょう。また決断力にも優れて部下は安心してついていけることでしょう。
そのため、職場ではより柔和で落ち着いた雰囲気のリーダー的存在となるでしょう。
対して、INFP-Tのリーダーは、目標達成や自分と同じビジョンを持つ人に対して、「なんとか達成してほしい」とプレッシャーを与えることがあるでしょう。一方で、あれこれと気づいてしまう長所が災いして決断力に乏しいところがあります。
失敗に対する向き合い方
INFPーAは、失敗を受け流す力があります。小さなことは気にしない。
INFP-Tは同僚や上司からの批判を受け止めるのに苦労する傾向があります。
INFP-Aが克服したほうがよい弱点
助けを求めることをためらう
INFP-TもINFP-Aもどちらも寡黙で、話すより聞く方が好きなタイプ。そのなかでも他人への関与はINFP-Aの方が控えめな傾向があるといわれます。
自己肯定感や独立精神が強いがために、他人からの援助や助けを求めることに疎かになる傾向があるということです。ただ、くれぐれも人は一人では生きていないことを意識する必要があるでしょう。一人で重たいものを四苦八苦して時間をかけて持ち上げるより、人の手を借りて軽々と早く持ち上げるほうがよいのですから。
人の意見を受け入れないことがある
INFP-Aは自分の弱点や欠点に気づいていますが、ポジティブなことに目を向けようとして欠点から目を逸らす傾向にあります。それはそれでネガティブな感情を受け流すという美点でもあるでしょう。
一方でそれは、人からのフィードバックや意見に対して、真摯に受け止めない傾向があるともとれます。
細部にまで気を配れない
INFP-Aは自己主張が強く、自信に満ちているため、仕事の結果がどうあれ重く受け止めない傾向にあるでしょう。また、自分にとって大したことでないと判断したことは、深く考えない傾向にあるため、改善すべき点や解決すべき問題などの詰めが甘く、そのために全体構造の細部を見逃すことがあるということを気に留めておく必要があります。
INFP-Tが克服したほうがよい弱点
圧倒されやすい
INFP-Tは、過去の失敗や決断、さらには人からの批判やフィードバックについて、考えすぎたり、長く思い悩んだりする傾向があります。小さなことにクヨクヨするタイプです。
また自身の内なるネガティブな感情が心の内部で乱反射し、客観的に受けた外的な状況そのものよりも大きく自身の精神への作用が働くことでしょう。つまりは、それほど大したことでもないのに、傍から見る以上に動揺してしまうということです。
自己批判的
INFPはそもそも、自身の感情や他人の感情に敏感に反応する特質があり、必要以上に自分に対して非常に批判的であることがあります。
特に崇高な理想と完璧主義であるINFP-Tは、自分をないがしろにしてまで他人に尽くし、喜ばせようとする傾向があるため、疲弊するようなところがあります。
この自己批判的で不安定な傾向は、職場だけでなく人生全般におけるINFPの相性を考える上で重要な要素であり、これを克服する、つまりは自身の人生に対し主体性を持つようにしないと、いつまでたっても不安や焦燥感から心穏やかに過ごすことができなくなってしまいます。
INFP-Aの適職
INFP-Aに適した仕事とキャリアパス
INFP-A型は、自由な創造性と自律性を発揮できるような職場がいいでしょう。
INFP-Tと比べてもより一人で仕事をしたがる傾向にあります。
つまりはフリーランスがいいのでしょうけれども、その楽観的な性格かつ人を動かす才能を生かすことができれば、職場を活性化するかけがえのない存在になることでしょう。
INFP-Aの適職例
- マーケティング
- トレーナー
- コーチ
- 作曲家
- 編集者
INFP-Aに向かない仕事
- 行政官
- 技術者
- 監査役
- 歯科医師
- 電気工事士
INFP-Tの適職
INFP-Tの仕事とキャリアパス
INFPはコミュニケーション能力に長けていますが、その中でもINFP-Tはこの特性が顕著です。
そのため人員間の連絡や仲介を必要とする職場で活躍できることでしょう。
一方、性格が繊細なためギスギスとした環境を避けるべきです。(競争が激しいような職場)
INFP-Tの適職例
- ジャーナリスト
- カウンセラー
- 人事スペシャリスト
- ソーシャルワーカー
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
INFP-Tに向かない仕事
- 販売
- 経理マネージャー
- 軍人
- サイエンティスト
- 看護師
ただでさえ稀少なINFPにとって、INFP-TもINFP-Aも希少な価値ある存在だと思います。卓越した資質と特徴を持ち、-Aと-Tの微妙な違いによって、さらに個性的な存在となります。
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